現代のギター(モダン)から19世紀ギターに持ち替えた時、どうやって弾こうかと戸惑いますか?基本的にモダンよりも小柄で弾きやすいとは思うのですが、私達がちょっと工夫していることを紹介します。(これが絶対という訳ではないので、皆さんの工夫も教えて下さい。メールはこちらまで)
19世紀ギターには、どんな弦を張っているの?という質問を受けます。
プロギタリストなど、ガット弦(羊の腸をよって作られます)を使う方もいますが、アマチュアにはなかなか手が出ません。私の周囲ではモダンと同じナイロン弦を張っています。
使用している弦の種類(メーカー)は様々ですが、私も含め面白い”弦”を使っている人もいます。
1弦 | シーガー・グランドマックス10号 | シーガー・エース10or12号 | シーガー・エース12号 | キルシュナーNR5068 |
2弦 | シーガー・エース14号 | シーガー・エース14or16号 | シーガー・エース16号 | サバレス赤(S.I.B.2/542R) |
3弦 | シーガー・エース22号 | シーガー・エース20or22号 | サバレス・アリアンス青 | サバレス赤(S.O.L.G.3/543R) |
4弦 | ハナバッハ黄 | オーガスチン黒 | プロアルテ・ライト | キルシュナー巻弦VN5124 |
5弦 | ハナバッハ黄 | オーガスチン黒 | プロアルテ・ライト | キルシュナー巻弦VN5165 |
6弦 | ハナバッハ黄 | オーガスチン黒 | プロアルテ・ライト | キルシュナー巻弦VN5220 |
調弦 | A=430〜435Hz |
1弦 | シーガー・エース10号 | シーガー・エース10号 | シーガー・エース12号 | シーガー・エース10号 | シーガー・エース10号 |
2弦 | シーガー・エース14号 | サバレス・プラ巻 | シーガー・エース16号 | シーガー・エース14号 | シーガー・エース14号 |
3弦 | シーガー20号 | サバレス・プラ巻 | サバレス・アリアンス赤 | シーガー20号 | シーガー20号 |
4弦 | プロアルテ・ライト | オーガスチン黒 | プロアルテ・ノーマル | ピラミッド・リュート弦1014 | ピラミッド・リュート弦1014 |
5弦 | プロアルテ・ライト | オーガスチン黒 | プロアルテ・ノーマル | ピラミッド・リュート弦1022 | ピラミッド・リュート弦1022 |
6弦 | プロアルテ・ライト | オーガスチン黒 | プロアルテ・ノーマル | ピラミッド・リュート弦1034 | ピラミッド・リュート弦1034 |
調弦 |
1弦 | ハナバッハ黄 | セシリア:LOW(赤) | AQUILAナイルガット | ピラミッド:0.60 |
2弦 | ハナバッハ黄 | セシリア:LOW(赤) | AQUILAナイルガット | 同 :0.75 |
3弦 | ハナバッハ黄 | セシリア:LOW(赤) | AQUILAナイルガット | シーガー:20号 |
4弦 | ハナバッハ黄 | セシリア:LOW(赤) | AQUILAナイルガット | ピラミッド:1013 |
5弦 | ハナバッハ黄 | セシリア:LOW(赤) | AQUILAナイルガット | 同 :1021 |
6弦 | ハナバッハ黄 | セシリア:LOW(赤) | AQUILAナイルガット | 同 :1032 |
調弦 | A=430〜440Hz | A=415Hz | A=430〜435Hz |
19世紀ギターはピンブリッジが多いですが、このピンブリッジでの弦の止め方は皆さんどうのようにされていますか?
弦の先をかた結びにしてタマを作っているだけ?
結び目はうまく掛かりますか?
掲示板に、ピンブリッジでの弦の止め方について質問がありました。
”楽器を傷めずに、奇麗に、確実に振動を伝える止め方があるのか?”
この質問にnisigakiさんから伝統的なガット弦結びの仕方やいろいろなアイデアを図解入りで回答頂きました。
掲示板に載せておくだけでは勿体無いので、了解を得て改めて本項から解説ページへリンクさせて頂いてます。
それでは、弦の結び方解説ページへ ジャ〜〜〜ンプ!
【蛇足】
伝統的結節方の図解を頭の中だけで理解して”結べないじゃん”なんて言わないように、結ぶ時のポイントをば・・・
使用弦の一覧にも書きましたが、調弦はA=415〜440Hzまで人により様々です。私の場合は、435Hzに合わせることが多いのですが、厳密ではなく”だいたいこんなものだろう”という程度で合わせてました。ギターチューナ−ではA=435Hzにキャブレーションできないので、クロマティックチューナー(針式)で5弦を435Hzくらいに合わせ、後は5弦を基準に各弦を合わせています。しかし、調弦が苦手な人や演奏会の控え室が騒々しい場合など、自由にキャブレーションが出来るチューナーがあれば便利に違いないですね。
そこで、見つけました!
コルグの「KORG OT-12」・・・型番OTとはオーケストラル・テューナーのこと。基準ピッチが349〜499Hzと広く、キャブレーションは1Hz単位で出来るんです。ギター専用ではないけど、「オート・メーター・モード」は入力音をもとにチューニングするので使い勝手はさほど変わりません。
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A=435Hzに基準ピッチを変更(キャブレーション)して5弦を合わせたところ。 このチューナーは、古典音律でもチューニング出来るのでリュートなどの古楽器にも便利、お勧めです。 |
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別売りのコンタクトマイクを使えば、ギターの振動を直接マイクで拾うので回りの音に邪魔されずにチューニングが出来ます。 電源は単三電池2本で経済的。 実は、このチューナーを見つけた切っ掛けは、単三電池で動くチューナーが欲しくて探したこと。よくスイッチを入れっぱなしにして新品の9V(四角い電池)を空にしてしまうアホな奴です。 |
19世紀ギターを構えた時、その小ささに弾きづらく感じます。足台を一番高くして使用してもしっくりこないし、腰への負担も大きくなり疲れやすいです。(少なくとも私は・・・) そこで、私達が使用しているのが「ギターレスト」です。これだと腰への負担も少なく、ギターの位置も微調整出来るので自然なフォームを作りやすいです。そして、ギターレストのもう一つのメリットは、ギターと身体との接点を少なくして響きをより多く伝えられること。楽器全体で鳴っている19世紀ギターの響きを少しでも殺すのは勿体無いです。
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ギターレストを使用しての演奏例。足台を併用してもいいですね。 |
でも、ここで問題が一つ。19世紀ギターは胴の幅も狭い(窪み部分で7〜8cm程度)ので、ギターレストが合わない場合があります。(ゲゲッ) という訳でひと工夫。吸盤式のギターレストは完全に胴から吸盤がはみ出るので断念。で、ネジ式のギターレストの胴を挟む部分にコクル板を貼りつけるのです。これで固定する幅を狭めて、19世紀ギターにも合うようにします。コルクを使用するのは、適度に弾力があることと、ギターと同じ木が素材だから。少しでもギターに良い気がしません?
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コルク板を貼ったところ。 この場合は、ゴムの上からコルクを接着しています。 ギターを傷つけないように金属部分を全てコルクで覆う方がベターです。 |
ギターレストが馴染まないという人には、あの黒い枕・・・ダイナレットもいいでしょう。使うなら大きい方でしょうね。ダイナレットもギターのフォルムに合わないという場合は、自作していまいましょう。(^^) ギターのラインに合わせて発砲スチロールで土台を作り、スポンジで包んでクッションにします。正面をコルク板(あたってもギターを傷つけないでしょ)で成型すればなかなか立派なものが出来ます。(私も、ギターレストにする前は2〜3台作りました。今はもうありませんが・・・)
次回は・・・(ご意見・ご質問も待っています)