2日目、セゴビア〜マドリッド(闘牛)
朝、通りのスタンドでチューロスとショコラテで朝食。チューロスはドーナツのようなものだが甘くはない。これをショコラテ(濃いホットココア)につけて食べる。昨日の失敗を反省して、スーパーでアグア・シン・ガス(炭酸の入っていないミネラルウォーター)とナランハ(オレンジ)を買う。今日は少し遠出しよう。行き先は、セゴビアだ。
チャマルティン駅から列車で2時間程揺られてセゴビアに着く。まず、街の地図を取りにツーリスト・インフォメーションを探すのだけど、これが大変。スペイン人は親切だけど…。ある人に聞いたら、坂の上にあるという(もちろん会話は六カ国辞書とゼスチャー)。“ありがとう”といって振り向くと後ろにインフォメーションがあった。セゴビアでの目的は、ローマ水道橋とアルカサルを見ること。2000年も前に造られたローマ水道橋が十数年前まで実際にこの街に水を供給していた。思っていた以上に大きく、昔の姿を残している。水を飲みながら長い坂を上がってアルカサルへ。アルカサルはディズニーの「白雪姫」のお城のモデルになった。昼食はセゴビア名物の仔豚の丸焼き。一人客には切り分けた豚が出てきたが塩味で結構美味かった。街の肉屋さんには、笑ったような可愛い顔が吊り下がっている。帰りに土人形を買う。
マドリッドに戻って、オスタルで知り合った日本の大学生と街中へ。今日は日曜日、これから闘牛を見に行く。闘牛は、3月18日のバレンシアの火祭りから10月まで、日曜日にスペイン各地で行なわれる。地下鉄でベンタスまで、出口の前は闘牛場だ。チケットの値段は席の場所によって別れている。日なた(ソル)で遠い席ほど安い。僕らは、日向から日陰に移る席(ソル・イ・ソンブラ)にした。ちなみに、見せ場は上席のソンブラで行われることが多い。
闘牛は、牛と闘牛士との一対一の闘いではない。チームでの闘いだ。馬に乗ったピカドールが最初に槍を突く。次にバンデリジェロが6本の銛を突き立てる。そして、いくつもの銛を突きたてられた牛がマタドールに向かっていく。マタドールは狙い済まして剣を牛の首筋に突き刺す。一瞬時間が止まる、崩れ落ちる巨体、静寂の後に起こる大歓声…一流のマタドールと一流の牛との闘いは観客を魅了する。しかし、マタドールが少しでも油断すると…太ももに角を刺され飛ばされる姿を見た。
帰りにまた事件発生? 地下鉄で降りる駅を間違えてしまった。外は細い路地ばかりで、駅の周りには酔っ払いが騒いでいる。もう暗くなっていてどこにいるのか検討もつかない。すぐに大通りに出るだろうと歩くが路地が続くばかり、男が二・三人こちらを見ている。さすがに不安になってくる。5分程歩いただろうか。偶然、「セブン・イレブン」を見つけて飛び込んだ。店員に道を聞いてやっと大通りに出られた。グランビア通りの北側にいたのだが怖い経験だった。この時一緒だった大学生には思いもよらない場所でまたお世話になるのだが、それはまた別のお話。